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-80年ぶり、いるか座ガンマ流星群-
Andrew Fazekas for<font color="#FFB533"> National Geographic</font> News June 11, 2013
アメリカの天文ファンは、6月11日の未明に80年ぶりの流星群の出現を観測できることを祈っている。
天文学者の予測が正しければ、8月の有名なペルセウス座流星群に匹敵するほどの「いるか座ガンマ流星群」が、久しぶりに出現するかもしれない。毎分1つか2つという高い頻度で流星が見られる。
いるか座ガンマ流星群は、1930年6月10日の夜に初めて観測された。アメリカのメリーランド州ボルチモアの2人の天文学者が、満月で明るかったにもかかわらず、それまで記録されていなかった放射点から、速度の速い流星群がすさまじい勢いで流れてくるのに気づいた。報告によると、大半の流星は、夜空で最も明るい星に相当するほどの明るさで、非常な見物だったという。
今年の再出現を予測した2003年の論文の共著者であるピーター・ジェニスケンス(Peter Jenniskens)氏によると、この2人の天文学者は「東部標準時の午後9時15分から、いるか座という小さな星座から流れ出る流星を観測し始めた。流星の尾は短く、発光は短時間で、色は黄色味がかった白だった」という。
1930年の出現では、「観測者はそれから30分の間に合計51個(の流星)を数えた。そこで出現は終わった」。ジェニスケンス氏は、カリフォルニア州マウンテンビューにある地球外知的生命体探査(SETI)研究所およびNASAエイムズ研究センターの天文学者である。
ジェニスケンス氏は、1930年のいるか座ガンマ流星群の軌跡を分析し、今年、この流星群の再出現を目撃できるかもしれないと話す。しかし、この天文ショーが起こるには、まだ発見されていない謎の彗星が、ごく近い過去に太陽系の内側を通過しており、それが残した塵の流れ(ダストトレイル)を地球がまっすぐに横切るという条件が満たされなければならない。
「長周期彗星が残す塵の流れは、たいていの年には、地球軌道のすぐ脇を、まったく見えることなく、気づかれずに通り過ぎている。しかし、このダストトレイルが地球の公転軌道面のどこを通過するかは、その都度変化する(ことがある)。それはときとして、地球の軌道に入り込む。今年、再びそれが起こると予測される」とジェニスケンス氏は話す。
◆観測に最良のタイミングは
予測される出現のピーク時は、6月11日世界標準時8時28分(太平洋夏時間午前1時28分、東部夏時間午前4時28分、日本時間午後5時28分)。アメリカ大陸とハワイ諸島までの太平洋地域で観測しやすい。しかし、ピーク時の予測はある程度ずれる可能性があるため、早めに観測を始め、予測ピーク時の1時間か2時間前から空を見上げるとよいとジェニスケンス氏は話している。
◆流星群はどの方向に出現するか
この流星群は、名前の通り、いるか座の方向から放射状に流れる。いるか座はこの時期、北半球の中緯度地域では、夕暮れ後に東から上がってくる。
アメリカ大陸でピーク時と予測される夜明け前の時間には、いるか座が見える南の方角の空に顔を向けるとよい。
◆流星群が出現したら、どんな光景が期待できるか
流星群はいるか座の方角から突然現れるとジェニスケンス氏は説明する。大半の流星は、北極星やデネブやベガ並みの明るさだが、いくつか微かなものも含まれるという。
観測に適しているのは、都会の灯りから離れた暗い場所で、頭の上が開けていて空が広く見えるところ。
「全体でも30分ほどしか続かない。だから、正しい時間に空を見上げていることが大切だ」とジェニスケンス氏は指摘する。
◆科学的に期待できる新しい知識は
ジェニスケンス氏は、地球軌道の近くを通り過ぎた未発見の彗星があるという説を立てている。この彗星が残したダストトレイルを、今回また地球が通り過ぎようとしていると考えられるのだ。
天文学者は、この彗星の軌道を確認し、それが残したダストトレイルの密度を測定できればと期待している。その情報から、母彗星本体の位置を確認するにはどこを探せばよいかが分かってくるし、最終的には、この天体が地球に危険を及ぼす可能性があるかどうかも判断できる。
Photograph by Tamas Ladanyi, TWAN
残念ながら、日本では観れないようです。