販売台数2けた減、PC需要は「近年になく落ち込み大きい」――“復活の処方箋”は?
ITmedia ニュース 11月13日(水)18時31分配信
「PC市場は近年になく落ち込みが大きい」
「『PCだからこそできること』を改めてユーザーに訴求を」
BCNは11月13日、デジタル家電やパソコン関連商品の最新市場動向を発表した。
スマートデバイスの普及に伴うPC市場の大幅な落ち込みを危惧し、
“PC復活の処方箋”を提案している。
全国大手家電量販店のPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、
PC(ノート、デスクトップ、タブレット端末を含む)の10月の販売台数は前年同月比12.2%減。
7月の18.2%減と比較するとやや持ち直したが、2けた減の厳しい結果となった。
製品の平均単価が上昇したことで販売金額ベースでは4.4%増となったものの、
「台数ベースの減少は戻らず、ここまで危機感を感じる状況は初めて。近年になく落ち込みが大きい」と同社アナリストの道越一郎さんは警鐘を鳴らす。
同社はPC需要が落ち込んだ理由として
(1)メールやWebサイトの閲覧をスマートフォンやタブレットが代替、
(2)ソフトウェアをインストールする汎用機としてのPCの特徴が、アプリの入手経路がわかりやすいスマートデバイスと比較して失われ、“Microsoft Office専用機”となりつつある、
(3)Windows 8を搭載したタッチパネル対応PCのラインナップ拡充の遅れ――などを挙げている。
ただ、PCからの流出先になっているタブレット市場もやや頭打ち傾向。
販売台数は約1年にわたって前年同月比150%以上で推移してきたが、
10月は118.9%にとどまった。
メーカー別では
「iPad」のAppleと
「Nexus 7」のASUSが
新製品が出るたびにシェアを逆転させ、
それぞれ毎月の販売台数ベースで30~50%前後を占める。
3位の日本エイサーでさえ5%前後と、競合を突き放す2強の存在感が圧倒的だ。
“PC復活のための処方箋”として挙げるのは
“PC復活のための処方箋”として挙げるのは
(1)スマートデバイスと組み合わせて使う共生思想の訴求、
(2)音楽、画像、映像などを使ったクリエイティブワークの裾野を広げる、
(3)スマートフォンやタブレットでは難しい大量のデジタルデータ管理に活用、
(4)アプリに慣れたユーザーに向け、各種ソフトウェアのラインナップや販路の充実
という4つだ。
道越アナリストは
道越アナリストは
「メールやWebブラウジングなどライトなコンピューティングだけでなく、
PCを使ってより高度なことに取り組むユーザーを改めて増やしたい。
スマートフォンやタブレットが身近になり、
個人と情報の付き合い方は確実に密になっている。
『PCだからこそできること』
『PCとともにできること』
を訴求していくことで市場は再度拡大すると期待している」としている。